日本甲殻類学会創立60周年おめでとうございます。

岡山大学で初めて開催される甲殻類学会のお祝いの会に出席したかったのですが、高齢でもあり、耳をはじめ身体が自由にならず、申し訳ありません失礼しました。

日本甲殻類学会の設立やその後の経緯については、機関紙である「甲殻類の研究」や「CANCER」に何度か取り上げられています。創立20周年にあたる「甲殻類の研究第11号(1981, Dec.)」によると、今はもう故人になられた会長の酒井恒氏が設立の様子を詳しく紹介しておられます。写真もあり、多くの会員にとっては文献でお目にかかるだけでしょうが、久保伊津男氏や Gordon, I.,  Forest, J.,  Holthuis, L.B. など懐かしいお顔が随所に見られます。

1961年は昭和天皇が還暦をお迎えの年で、Gordon 博士を招待して会が設立された旨のことが書かれています。

その後30周年にあたっては、小田原利光氏が設立の祝辞やそれまでの会の活動と小田原記念甲殻類研究振興基金の紹介をしておられます[CANCER 第1号(1991, 11)]。


設立当時は15名の専門分野の研究者が中心の小さな学会でしたが、翌年には40名に及ぶ参加があり、2009年夏には47回大会と銘打って The Crustacean Societyとの共催によるsummer meetingを行うまでになりました[CANCER 第19号(2010.5)] 海外からも多数の参加者があり、盛会裏に修了しました。

これらを含め50周年記念は渡辺精一氏が祝辞を述べておられています。この中で村岡健作氏が学会設立時の様子をGordon博士の滞在に併せて報告されています[CANCER 第20号(2011.8)]。

私の会への参加は途中の第20回(1981)からです。この間皆様のご協力をいただき、「甲殻類の研究」や「Crustacean Research(甲殻類の研究の後継誌)」と「CANCER」いずれにも数回の掲載をさせていただいています。

思い出深いものばかりですが、新種を記載した1編は鹿児島湾に沸く温泉に住むのではないかとの思いで、和名を「おんせんかくれえび」にしようとした記憶があります。しかしこれは残念ながら実現せず、鹿児島地方で同じ意味になる「たぎりかくれえび」に落ち着きました(2001, Crust. Res., 30)。 テッポウエビ類は分類が難しい種が多く含まれており、分布の北限に当たることもあって、長くオニテッポウエビとされていたものを多くの標本を見て、既知種と1新種に分けました (2003, Crust. Res., 31)。これからは形態による違いだけでなく、核酸など新しい情報をどんどん取り入れ、新たな視点にたって研究が進められることだと思います。

今後もこの会が発展し、継続してゆくことを願って、短文を終わらせます。

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